とする.このとき
①
②
を考える.まず,①についてを加法群で考え
と置く.このとき,は加法群であり,より
i.e.
である.
次に②について,いま,剰余類の集合を
と置けばは群を成す.
(証明)
の演算に関してその和を
で定める.
(ア) 結合律
と置くとき,を示す.
より
と書ける.
一方,から
である.ここで,は何れもパラメタであるから
と成るように置けば(パラメタの自在性による)
が成立する.
したがって,であることが示された.
(イ) 単位元(零元)
と置く.このときより
という性質(群の零元の公理をみたす)をもつ.
それゆえ,剰余類の集合の零元はであることがわかる.
(ウ) 逆元
と置く.このときより
が成立する.これは群の逆元の公理をみたすゆえ,の逆元はである.
以上より,は群を成し,これを剰余群と呼ぶ.▢