問 太郎の組には33人いる.男は女よりも3人多い.男女の人数をそれぞれ求めよ.
(解答)
とする.このとき,次のような方程式
を書ける.いま
∃-仮定
∃-仮定
に対して
と表し,これらを解けば
i.e. i.e.
を得る.
したがって
であるから
すなわち
∃-導入,∃-除去
∃-導入,∃-除去
である. ▢
【補足】
上記の問題は存在判断として解いたが,これはsuch. that. のうち,真であるものを選んだ,という意味が含まれている.つまり,以外の数でも,存在判断としては正しいと言えてしまう.以前,単独判断は全称判断に含まれる,ということを書いたが,この単独判断という考え方で,もう一度問いを考えてみたい.
を男の人数,を女の人数とする.このとき
という方程式を立てる.いま
∀-除去
∀-除去
で表し,これを解けば
i.e.
を得る.これより
である.そして,この論証に仮定は無い.したがって∀-導入適用可能であるから
∀-導入
∀-導入
がわかる.▢
【結論】
算数だと全称判断と存在判断の区別はできないことが多い,ということがわかった.この状況は高校数学まで続く.それゆえ,論理を使用しないでも計算だけで解答することができてしまい,ひいてはパラメタ数学に結びついてしまう.私の目的はパラメタ数学からの脱却であるので,このようなことを考えた.存在判断の存在とは
少なくとも1つ すなわち 全体でもよい
という意味もある.全称と特称が重なることもあるので,これら判断記号を単純に「すべて」「ある」というように解釈することは危険だと思われる.