情報統合思念体への手紙

16号廃墟へ向かう道

存在判断の問

問 太郎の組には33人いる.男は女よりも3人多い.男女の人数をそれぞれ求めよ.

(解答)

 xを男の数

 yを女の数

とする.このとき,次のような方程式

 x+y=33

 x=y+3

を書ける.いま

 x:=a  ∃-仮定

 y:=b  ∃-仮定

に対して

 a+b=33

 a=b+3

と表し,これらを解けば

 (b+3)+b=33 i.e.  2b=30 i.e.  b=15

を得る.

 したがって

 a=15+3=18

であるから

 a=18

 b=15

すなわち

 x=18  ∃-導入,∃-除去

 y=15  ∃-導入,∃-除去

である. ▢

 

【補足】

 上記の問題は存在判断として解いたが,これはsuch. that. のうち,真であるものを選んだ,という意味が含まれている.つまり, x=18,y=15以外の数でも,存在判断としては正しいと言えてしまう.以前,単独判断は全称判断に含まれる,ということを書いたが,この単独判断という考え方で,もう一度問いを考えてみたい.

 

 xを男の人数, yを女の人数とする.このとき

 x+y=33

 x=y+3

という方程式を立てる.いま

 a+b=33  ∀-除去

 a=b+3   ∀-除去

で表し,これを解けば

 (b+3)+b=33 i.e.  b=15

を得る.これより

 a=18

である.そして,この論証に仮定は無い.したがって∀-導入適用可能であるから

 x=18  ∀-導入

 y=15  ∀-導入

がわかる.▢

 

【結論】

 算数だと全称判断と存在判断の区別はできないことが多い,ということがわかった.この状況は高校数学まで続く.それゆえ,論理を使用しないでも計算だけで解答することができてしまい,ひいてはパラメタ数学に結びついてしまう.私の目的はパラメタ数学からの脱却であるので,このようなことを考えた.存在判断の存在とは

少なくとも1つ すなわち 全体でもよい

という意味もある.全称と特称が重なることもあるので,これら判断記号を単純に「すべて」「ある」というように解釈することは危険だと思われる.