情報統合思念体への手紙

16号廃墟へ向かう道

▢を使用した式

問 あめが10個あります.何個か貰ったので30個になりました.あめを何個貰いましたか?

(解答と説明)
 P:あめが10個ある

 Q:(あめを)何個か貰う

 R:(あめは)30個である

 ▢:束縛変数

 〇:自由変数(パラメタ)

とする.このとき,文論理は原始的で

 P→[Q→R]

で表される.いま可能世界について真理値を考えると

P Q R

T T T ①
T T F ②
T F T ③
T F F ④
F T T ⑤
F T F ⑥
F F T ⑦
F F F ⑧

であるから,②が棄却されるので,それ以外が可能であることがわかる.つまり,文論理的に▢は何個でもよい,という判断である.改めて,▢を求めるとはどういうことだろうか? いま,単独判断は全称判断に含まれると考えると,▢を全称判断で考えることができる.では,全称判断と特称判断の違いは何だろうか? それはいわゆる「such. that.」か否かで区別される.

 つまり,等式 10+▢=30をみたすような▢は在っても無くても式が成立する,というのが特称判断である.一方,全称判断は如何なる▢に対しても,この等式が成立する,というものである.まとめると

・特称判断:▢の真偽に依らず(等号)関係は成立する.

・全称判断:▢は真でなければならない.▢が偽のときは(等号)関係が不成立である.

以上より,▢は全称判断である,と解する.

☆ 補足 

単独判断とは,たとえば固有名詞にかかわる判断のことをいう.

 実際,等式 10+▢=30の▢に対して,∀-除去より

 10+〇=30

であり,このような 〇を解けば 〇=20である.そして,この論証には仮定がないので,∀-導入適用可能である.これより

 ▢=20  ∀-導入

であるから

 10+20=30

がわかり,②以外の可能世界をみたす.したがって,あめを20個貰った,ということができる.